相続人の内1名が相続財産の一部である預貯金を先立って引出し隠匿していたが、遺産分割調停において金額が明らかとなり、不動産ともに預貯金を相続する形で遺産分割調停が成立した事例

02 相続人の内1名が相続財産の一部である預貯金を先立って引出し隠匿していたが、遺産分割調停において金額が明らかとなり、不動産ともに預貯金を相続する形で遺産分割調停が成立した事例

  • 被相続人との関係

  • 相続人の人数

    2〜10名

  • 主な遺産

    預貯金

    不動産

  • 遺言の有無

  • 主な争点

    遺産の範囲

  • 分割方法

    現物分割

    代償分割

  • 手続

    調停

相続関係図

被相続人:両親  
相続人:子(3名)

相続関係図

※一部簡略化しております。

事案

両親が不動産と預貯金を残して死亡し、兄弟3名で遺産分割協議を行うこととなった。しかし、相続人の内1名が相続財産の一部である預貯金を先立って引出し隠匿しており、遺産の範囲で争いとなりました。「預貯金を隠されたまま遺産分割に応じることはできない。何とかして預貯金を明らかにさせたい。」そのような思いで当事務所にご相談にこられました。

解決

まず、当事務所において、両親の預貯金の取引履歴を金融機関から取得し、具体的な金銭の動きを分析しました。その上で、遺産分割調停において資料とともに預貯金の提示を相手方に求めました。その結果、相手方は1000万円以上の預貯金を保管・管理していたことを明らかにしました。最終的に、預貯金も遺産分割の対象とすることに全員が同意し、依頼人は、不動産と併せて預貯金の一部も取得する形で調停が成立しました。

  • 弁護士介入前

    預貯金をめぐって争いになり、協議に進展なし

  • 弁護士介入後

    隠匿されていた預貯金が明らかに

弁護士の視点

相続人の一部によって隠匿された預貯金を明らかにすることは必ずしも容易ではありません。それでも、被相続人の取引履歴を取得し、分析していくことで大まかな行方を特定していくことは不可能ではありません。

本件は、当事者同士では行方の全く分からなかった1000万円以上の預貯金の行方を明らかにし、遺産分割の対象とさせる形で調停を成立させることができたという点で大きな成功を納めた事例です。