相続人の一部から特別受益を主張され、相続を放棄するよう求められていたのに対し、遺産分割調停において相当額の不動産を取得することに成功した事例

09 相続人の一部から特別受益を主張され、相続を放棄するよう求められていたのに対し、遺産分割調停において相当額の不動産を取得することに成功した事例

  • 被相続人との関係

  • 相続人の人数

    2〜10名

  • 主な遺産

    不動産

  • 遺言の有無

  • 主な争点

    特別受益

  • 分割方法

    現物分割

  • 手続

    調停

相続関係図

被相続人:祖母  
相続人:子(2名)、孫(2名)

相続関係図

※一部簡略化しております。

事案

相続人の一部が、既に亡くなっていた依頼人の父が生前に多額の生前贈与を受けていたと主張し、相続を全て放棄するよう求めてきた。「父が被相続人の生前に一定の贈与を受けていた可能性があることは否定できないが、一定の生前贈与を受けていたのは他の相続人も同様である。生前贈与の金額も全く明らかになっていない現状で、相続を全て放棄させられるのはおかしいのではないか。」そのような思いで当事務所にご相談に来られました。

解決

当初は、調停委員も含めて相手方の特別受益の主張を認めるかのような対応でした。しかし、当事務所の弁護士が、相手方による特別受益の立証が全くできていないことを主張し、相続財産の総額と生前贈与の金額等を詳しく調査していきました。その結果、仮に特別受益が一定程度存在するとしても、なお一定の相続を受ける権利があることが明らかとなり、最終的に相当額の不動産を取得する形で調停が成立しました。

  • 弁護士介入前

    相続財産の放棄を求められ、遺産分割協議が紛糾

  • 弁護士介入後

    相当額の不動産を取得する形で調停成立

弁護士の視点

特別受益は、生前贈与であれば何でも該当するものではなく、「遺贈」又は「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与」されたものである必要があります。また、調停等の法的手続において特別受益を認めていただく為には、単に主張するのみならず、通帳履歴その他の証拠によって具体的な金額を証明していく必要があります。

本件は、相手方が特別受益について具体的な証明をしていないことを指摘し、当初の相手方の主張に反して相当額の不動産を取得することができたという点で大きな成功を納めた事例です。