相続放棄をすると滞納税も払わなくてよい?

滞納税は払う必要なし

 近親者が亡くなりあなたがその相続人となった場合、後になって被相続人(亡くなった方)が税金を滞納していることが判明することがあります。  こういった場合、あなたはその滞納税を払う必要があるでしょうか。

 相続放棄を考えている限り、その答えはNOです。
 相続放棄の法的な効力は、相続開始時点(被相続人が亡くなった時点)まで遡ってあなたが最初から相続人でなかったことにする、というものです。
 したがって、はじめから相続人でないあなたには、被相続人の滞納税を支払う義務はありません。

相続税の申告もしなくてよい

 先程のとおり相続放棄を行った方には、相続税の納付義務がありません。
 そのため、相続税については税務署への申告も行う必要がありません。

安易に滞納税を払ってはいけない

 ここで注意して欲しいのは、単に支払う義務がないということだけでなく、支払ってはいけないということです。
 なぜなら、被相続人の債務の弁済行為は、法的には、相続の単純承認と扱われてしまうからです。
 「単純承認」という言葉に聞き覚えがないかもしれませんが、要するには、被相続人を相続する意思をあなたが対外的に表明する行為を取ったと扱われてしまうということです。

 一度単純承認を行うと、その後に相続放棄の申述を行っても無効というのが法律上の扱いです(単純承認行為を行っていたことがばれるかどうかという問題はありますが)。

 30万円の税を支払ったばかりに、何百万円もの私的な債務を背負わされる可能性もあります。

 相続放棄を考えている状況下では、安易な滞納税の支払いは決して行わないようにしましょう。

相続放棄の基礎知識

相続放棄について

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