よくあるQ&A
相続トラブルについて、
よくあるQ&Aをまとめました
当事務所にご相談・お問い合わせいただいた相続トラブルの中でも、よくあるご質問について、Q&Aとしてまとめました。少しでも皆さまの不安や疑問を解決する手助けになれば幸いです。
Q1
自分が「相続人」になっているらしいけど、何から遺産分割を始めれば良いかが分かりません。
A1
まずは、誰が被相続人(亡くなった方)で、その方の相続人が具体的にどのような方が何名いらっしゃるか調べてみましょう。但し、当事者が全く把握していない相続人がいらっしゃる場合もあります。最終的に遺産分割を進めるにあたっては戸籍や改正原戸籍を取得し、専門家とご相談されることをお勧めいたします。
Q2
妊娠中の胎児にも相続権はありますか?
A2
妊娠中の胎児にも相続権はあります。
確かに,原則として相続は被相続人(相続される人)が死亡した際に生存していることが必要です。
以上の原則からすれば,胎児は生存しておらず相続の対象にならないように思えますが,民法886条は胎児を「生まれたものとみなす」と規定しています。
したがって,胎児は原則の例外として相続権を有します。
Q3
特別縁故者とは何ですか?
A3
特別縁故者とは,民法958条の3の規定にあるように
①「生計を同じくしていた者」
②「被相続人の療養監護に努めた者」
③「その他被相続人と特別の縁故があった者」
をいいます。
③については,①②と同程度に具体的かつ現実的な精神的・物質的に密接な交渉のあった者をいうとしています。
この特別縁故者に該当すれば,相続を開始した際に相続権を有する者がいない場合請求することによって,相続財産の分与を受けることができます。
Q4
嫡出子と婚外子とは何ですか?嫡出子と婚外子の法定相続分は同じですか?
A4
嫡出子は婚姻関係にある男女関係の子であるのに対して,婚外子は婚姻関係にない男女関係の子です。
婚外子についても,父子関係が成立する限りにおいて,法定相続分は嫡出子と法定相続分は同じです。
Q5
半血兄弟姉妹の相続分
A5
半血兄弟姉妹とは,父親あるいは母親の一方だけが同じである兄弟姉妹です。
被相続人が両親である相続については、全血であろうと半血であろうと共同相続人である兄弟姉妹との間に相続分の区別はありません。
しかし、被相続人に子ども及び直系尊属おらず兄弟姉妹が相続人になる場合、民法900条4号但書の規定により全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹の相続割合は異なる扱いを受けます。
Q6
次の財産のうち、相続財産ではないものはどれですか?
A6
・ 墓
・ 位牌
・ 遺骨
・ 香典
・ 死亡退職金
・ 死亡生命保険金
相続財産について、「被相続人の財産に属する一切の権利義務」(民法896条)としています。しかし、民法896条の例外として,民法897条で「系譜,祭具及び墳墓の所有権」は「祭祀を主催すべき者」が「承継する」と規定されています。
したがって,墓,位牌,遺骨は民法897条の規定から相続財産の対象外となります。
また,香典は、そもそも被相続人の死亡後に喪主や遺族に贈与されたものですから、相続財産ではありません。
死亡退職金や死亡保険金は,受取人が被相続人になっていれば相続財産となりますが,その他の場合は原則的には,相続財産とはなりません。死亡退職金や死亡保険金の規定,個別具体的な事実によっては例外もありえます。
Q7
自分は「被相続人」と離れて暮らしていた為、どのような遺産が存在するのか全く分からないのですが、何か調べる方法はありますか?
A7
例えば、銀行の預貯金であれば、当該被相続人の相続人であることを証明することができれば(戸籍等)、取引履歴を取り寄せることができます。また、不動産であれば、市役所その他の役場で「名寄帳」という書面を取り寄せることで、当該市町村に存在する被相続人名義の不動産の一覧を取得することができます。
その他、被相続人の財産を特定する手段は複数ございますので、一度専門家とご相談されることをお勧めいたします。
Q8
そもそも、「遺産分割協議」って必ずする必要があるのでしょうか。
A8
相続人同士の仲が良い場合などは遺産分割協議をする必要がないと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。また、遺産分割協議の開始を提案することで逆に険悪になりはしないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、遺産分割協議をせずに遺産分割をしてしまった場合、状況が変わった際に後から分割された遺産の返還を求めて紛争になる場合があります。後の紛争を発生させない為にも遺産分割協議は必ず行いましょう。
Q9
遺産分割協議をするにあたって必ず「書面」を作らないといけないのでしょうか。
A9
例えば、遺産が預貯金等の可分な財産だけであれば、必ずしも書面で遺産分割協議をしなくても良いかもしれません。他方で、不動産等の不可分な財産は、通常、書面による遺産分割協議書を作成しない限り、「登記」が完了しません。
そして「登記」が完了しないまま相続が繰り返されると、後に多数の相続人から改めて署名捺印を取り付ける必要が生じ、途方もない時間を要してしまう場合があります。そのような状況を生じさせない為にも、必ず遺産分割協議書は作りましょう。
Q10
司法書士や税理士ではなく、弁護士に相談する必要はあるのでしょうか。
A10
もちろん、全く争いの無いケースであれば司法書士の先生に遺産分割協議書を作成していただき、税理士の先生に相続税の申告をしていただくという形でも全く問題がございません。
しかし、少しでも遺産分割の方法に疑義がある場合、例えば「不正に被相続人の預貯金が引き出されている」、「生前贈与があったはずだ」、「面倒を多くみてきた自分の取り分が多いはずだ」などのケースで皆様の間に入って交渉を行う権利は弁護士にしかありません。
多くの紛争に関わってきているからこそ、紛争の予防方法に最も詳しいのも弁護士です。少しでも、ご自身の相続に不安がある場合は、一度当事務所の弁護士にご相談下さい。