遺言書の検認手続と遺言書の開封
更新日:2022/10/17
遺言書の検認手続と遺言書の開封
第1 検認とは
検認とは、遺言書発見時の現状を保全するための制度です。遺言には、常に他人による偽造・変造・滅失等の危険がつきまとうため、法は、遺言書発見者に家庭裁判所に検認の申立を行い、その現状を保全して後日の紛争に備える義務を課したのです。
検認は、公正証書遺言以外の方式による遺言について求められるのが原則です。もっとも、自筆証書遺言のうち、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」の規定に基づき法務局で保管されている自筆証書遺言については、検認は不要となります。
検認は、あくまでも遺言書の現状保全(証拠保全)を目的とした手続であり、遺言の有効性を判断するものではありません。検認の手続を履行したか否かは、遺言の有効性に影響を与えません。検認の義務を怠った場合、義務者(遺言書の保管者等)に対しては、5万円以下の過料の制裁が用意されています。
第2 手続の流れ
検認の手続は、遺言書の保管者の申立てによって始まります。遺言書保管者は、相続開始を知った後、遅滞なく、相続開始地を管轄する家庭裁判所に対して検認の申立てを行う必要があります。遺言書の保管者が存在しない場合、相続人がこの申立ての義務を負います。
検認の申立てがなされると、家庭裁判所は、検認期日を定めて申立人や相続人その他の利害関係人に呼出状を発します。呼出しを受けた相続人等には検認への立会の機会が与えられますが、これに立ち会わなかったとしても、検認は行われます。立会を行わなかった相続人等に対しては、事後、家庭裁判所から事実調査の結果が通知されます。
検認が行われた場合、家庭裁判所の書記官は、遺言書検認調書を作成し、当該遺言書を複写し、検認済みの証印を付した遺言書を申立人に返還します、
第3 遺言書の開封
遺言書の検認は、外形のみならず内容にもかかわるため、封印のある遺言書について家庭裁判所における開封が予定されています。開封には、相続人等の立会を要するのが原則ですが、相続人等が正当な理由なく立会を拒否する場合、家庭裁判所は、立会いなしで開封することもできます。
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