弁護士コラム

婚外子の相続分に関する違憲判決について

2013.09.06 弁護士 古手川 隆訓

婚外子の相続分に関する違憲判決について

弁護士法人グレイスの古手川です。

非嫡出子(婚姻していない男女の間に生まれた子)の相続分を、嫡出子の半分とする民法の規定について、最高裁判所が憲法違反という判断をしました。

過去に同規定の合憲性が争われた際は合憲と判断されていたわけですが、今回判例変更がなされました。

もともと、活発に議論がなされていたテーマですが、現代の価値観においては時代に合わない規定だと思っていましたので、最高裁判所が時代の流れを汲んで判例変更したことは意義深いと思います。

今後も、人々の価値観や生活のあり方が変わるにつれて、法律や判例が変更を迫られるケースが増えてくるかも知れません。

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相続問題に関する法改正について

相続問題に関する法改正について

家事部に所属しております弁護士の相川です。 夫婦問題・離婚問題とあわせて、相続問題についても扱っております。 今回は、まだ国会での成立前の段階ではありますが、成立すれば相続問題の処理に影響を及ぼす可能性のある、法律の成立および法改正についてご紹介します。 2021年3月5日政府は「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」案および、民法の改正案などを閣議決定し、現在国会での成立を目指しています。 今回の新法の成立と法改正の背景としては、土地を所有している人が亡くなり、相続が開始したにも関わらず、遺産分割協議や相続登記がなされずに長期間放置された結果、登記上の所有者が亡くなった人のままになっており、実際の所有者が誰なのかが分からないケースが多いという実態があります。なかには長い年月で相続人が大人数に枝分かれしてしまい、共有者が何百人というケースもあり、国が対策に乗り出しました。利用手段が無く経済的な価値もない土地は、相続が開始しても、相続人が手間や費用をかけて遺産分割協議や相続登記をしてまで欲しがらないため、このようなことになると推察されます。 今回の新法の成立および法改正の骨子としては (1)所有者不明土地の発生を予防する方策(2)所有者不明土地の利用の円滑化を図る方策 以上の2つです。 (1)所有者不明土地の発生を予防する方策としては、 ①土地の相続登記を義務付け、3年以内に登記しないことに過料の制裁を定めたこと②土地の所有者から法務大臣に対して、土地の所有権を国に帰属させるための申請ができること となります。もっとも、土地が数人の共有に属している場合はその全員で申請しなければならないため、大昔に土地の相続が発生し、すでに何百人もの共有の状態になってしまっている土地についての申請は事実上困難かと思われます。また、境界が明らかでない土地や、管理に多額の費用を要する崖があるなどの事情があると、承認下りないなどの問題となりうる条件が散見されますし、実際の運用でも厳しい運用をされてしまうと、結局利用は低調にとどまってしまう可能性もあり、今後の行方を注視する必要があると思われます。 (2)所有者不明土地の利用の円滑化を図る方策としては、現行の民法では、共有者の一部の所在が不明だと管理も処分も困難でしたが、改正により、裁判所の関与の下で、不明共有者等に対して公告等をした上で、残りの共有者の同意で共有物の変更や管理を可能にしたり、不動産の共有関係を解消できる仕組みを創設しました。 いずれも、本当に利用のしやすい制度として根付いていくのか、今後の行方を注視する必要があると思われます。制度の施行後は、所有者不明土地の処理等について弊所でもお手伝いできるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。

2021.03.25

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