弁護士コラム

成年後見コラム(7)申立後の手続の流れについて

2017.09.25 弁護士 碓井 晶子 ニュースレター45号掲載

申立後の手続の流れについて

1. はじめに

今月号では申立後の手続の流れについてご説明させていただきます。

2. 面接

申立に特に問題がなければ、基本的に申立人及び後見人等候補者は、詳しい事情を裁判所に対して説明するために裁判所において面接を受けることになります。具体的には、申立人は申立時に提出した「申立事情説明書」に基づいて、申立に至る事情や本人の生活状況、判断能力及び財産状況、本人の親族らの意向等について聞かれます。

他方、成年後見人等候補者は、申立時に提出した「後見人等候補者事情説明書」に基づいて、欠格事由の有無やその適格性に関する事情について聞かれます。

なお、もし裁判所がより確認をする必要があると判断した場合には、後日改めて裁判所に行くことになるか、資料の追加提出をすることになります。

3. 本人調査

成年後見制度では、本人の意思を尊重するために、申立の内容等について本人から意見を直接聞くことがあります。これを本人調査といいます。

本人調査は、本人が直接家庭裁判所に行くか、本人が入院していたり体調が良くない等により家庭裁判所に行くことが難しい場合には家庭裁判所の担当者が入院先等に直接来て調査をされます。なお、補助開始の場合や、保佐開始で代理権を付ける場合には、本人の同意が必要になるため、本人調査の手続の中で同意確認も行われます。

4. 親族への意向照会

本人の親族に対して、書面等により、申立の概要や成年後見人等候補者に関する意向を照会されることがあります。

5. 鑑定

鑑定とは、本人に判断能力がどの程度あるかを医学的に判定するための手続です。申立時に提出する診断書とは別に、家庭裁判所が医師に鑑定依頼をする形で行われます。ただし、親族からの情報や診断書の内容等を総合的に考慮して本人の判断能力を判断できる場合は、鑑定が省略されることもあります。

鑑定を行う場合は、通常、本人の病状や実情をよく把握している主治医に鑑定をお願いすることが多いです。もっとも、事案によっては、主治医に鑑定をお願いすることが出来ない場合や鑑定を引き受けてもらえない場合もあります。そのような場合には、主治医から他の医師を紹介してもらう等して、鑑定をお願いすることができる医師を探さなければなりません。

鑑定費用は、鑑定人の意向や鑑定のために要した労力等を踏まえて決められます。具体的には、主治医に鑑定を依頼する場合であれば、通常、診断書付票に記載されている金額になります。

なお、あらかじめ鑑定費用を納付しない限り鑑定は行われないので、裁判所の定めた納付期限内に納付をしてください。

6. 審理・審判

鑑定や調査が終了した後、家庭裁判所により、後見等の開始の審判が行われて、併せて最も適任と思われる人が成年後見人等に選任されます。複数の後見人等が選任されることもありますし、監督人が選任されることもあります。

また、保佐開始や補助開始の場合には、必要な同意(取消)権や代理権についても定められることになります。

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